強化(風冷・化学)

風冷強化
ガラスを軟化温度近くまで加熱し、その後、急激にガラスを風冷することにより、表面に圧縮応力を発生させます。
ガラスの強度を未強化ガラスと比べて約3~5倍に高めることが可能となります。
また、破損した場合においても、未強化のガラスと比べて、破損形状が細かくなることから、二次災害を軽減する特長を併せ持っています。ガラス板に熱を加える関係上、ガラスの板厚が3mm以上は必要となります。
身近なものですと、車のサイドガラスは強化ガラスとなっているため、割れると粉々に粉砕されますが、フロントガラスは強化していないガラスを張り合わせているため、割れると線上の亀裂が入るだけとなります。
化学強化
化学強化法、ケミカル強化法またはイオン交換強化法などと呼ばれている手法により、ガラスの表面に化学的に応力層を入れて強化します。
380℃程度に加熱した硝酸カリウム溶融塩にソーダライムガラスを入れると、ガラスの表面にあるナトリウム分が液中のカリウムとイオン交換が行われ置換されます。ナトリウムとカリウムの直径の大きさが異なるため、ガラス表面から10~20μmまでに応力層が形成されます。
こちらの手法は、一般的に3mm以下の薄いガラスを強化する際に使用します。
風冷強化と異なり、化学強化処理には時間を要します。また割れた際に破砕とならないのが特徴です。
皆さんのお手元にあるスマートフォンに使用されているディスプレイガラスは化学強化されたガラスとなります。